原価管理をExcel（エクセル）で行う手順｜便利な自動化ツールもご紹介

原価管理は、製品価格設定やコスト削減に不可欠です。そして多くの企業で、この原価管理にExcelが活用されています。

この記事では、Excelで原価管理するための具体的な手順と、その際に発生する課題を解説します。原価管理にExcelを活用しようと思っている企業担当者様は、ぜひ参考にしてください。

原価管理とは？

原価管理の目的と役割

原価管理の重要な目的は、将来の経営判断に必要な情報を正確かつタイムリーに提供することです。また、その役割は、過去の財務データを集計し、損益計算書（P/L）を作成するだけにとどまりません。

具体的な役割として、以下の決定を支援することにあります。

• 製品価格の適切な設定
• コスト削減が必要な戦略的ターゲットの特定
• 予算と実績の対比分析

このように、原価管理は、単に過去の数字をまとめる会計処理ではなく、企業の将来の経営戦略と意思決定を支援する、極めて重要な役割を担っています。

Excelで原価管理は可能？

Excelで原価管理は可能です。

自社特有の計算ロジックに合わせて柔軟にシステム構築できます。既存のオフィススキルを活用できるため、導入の障壁が低いのもメリットです。

しかし、データ量が増加するとパフォーマンスが低下するほか、セキュリティの脆弱性、複数ユーザーでの同時編集の難しさといった限界も認識しておくべきでしょう。

Excelで原価管理を行う流れ

ステップ1：必要なデータを整理して入力する

原価計算に繰り返し使用する単価や標準原価などの基本データを用意し、マスターシート（Mシート）にまとめます。次に、実際に発生した費用を入力し、関数を使って自動で集計・計算できるようにします。

入力の担当者とタイミングを明確にすることで、データの正確性と鮮度を保つようにしましょう。

ステップ2：関数やマクロを使って原価を計算する

SUM関数で、材料費、労務費、経費などの合計値を自動で計算できるように設定します。

次に、VLOOKUP関数（またはXLOOKUP関数）で、マスターシートから単価などの基本情報を自動で参照できるように設定しましょう。

IF関数を特定の条件に基づいた計算（例：残業代の計算など）や判断（例：予算超過の警告など）に活用して、計算ミスを防ぎます。

ステップ3：集計表・分析レポートを作成する

計算された原価データを基に、計画（標準）と実績を比較し、コスト削減や利益向上に向けたアクションを行います。

事前に設定した標準原価（目標とする原価）と、ステップ2で把握した実際原価を比較し、その差異（原価差異）を分析します。差異が生じた原因を「材料価格の変動」「作業時間のロス」「歩留まりの悪化」など具体的に特定しましょう。

折れ線グラフや棒グラフなどを使い、原価の推移や内訳を視覚化すれば、問題点を一目で把握できます。

テンプレートを活用して作業を標準化しよう！

テンプレートとは、あらかじめ必要な項目（材料費、労務費、経費など）や計算式、レイアウトが設定されたファイルのことです。テンプレートを利用すれば、データを入力するだけですぐに原価の集計・分析を始められます。

インターネット上には無料で公開されているものが多く、業務に合わせてカスタマイズして使用できます。

Excelでの原価管理のメリット

導入コストがかからず誰でも使える

Excelは多くの企業に既に導入されており、新たなソフトウェアの購入費用がかかりません。また、既存のオフィススキルで運用できるため、特別なITトレーニングも不要です。

自社独自の計算方法に柔軟に対応できる

市販のパッケージソフトと異なり、Excelは数式やロジックを自由にカスタマイズできます。自社の生産形態や独自の原価計算方法に柔軟に対応したシステムの構築も可能です。

他業務（販売管理・経理処理など）との連携がしやすい

Excelファイルは、販売管理や経理処理に使われる他のシステムやデータと、CSVなどを介して比較的容易に連携できます。データ連携時の加工や整形もExcel上で行いやすいというメリットがあります。

Excelでの原価管理のデメリット

Excelで原価管理をするデメリットを3つ解説します。

属人化しやすく、ファイル更新が担当者依存になる

Excelは柔軟にカスタマイズできる反面、計算ロジックが担当者のスキルや知識に依存して、属人化しやすいという問題があります。
担当者が変わると、数式の意味やファイルの更新手順が分からなくなり、システムの維持が困難になります。

手作業による入力ミスや修正工数が発生する

データは手動で入力されることが多く、コードの打ち間違いといったヒューマンエラーが発生するのを避けられません。データの信頼性を確保するために、入力規則の設定など工夫が必要です。
エラーが発生した際は、修正に要する工数や負担が大きくなりがちです。

関数・マクロの保守負担が大きい

複雑な原価計算を実現するためにVLOOKUP、SUMIFS、マクロ（VBA）などを多用すると、ファイルが重くなるだけでなく、数式の誤りが発見しにくくなります。特に、システム変更や更新が必要になった際の保守負担は無視できません。データが数万行を超えると、処理速度の低下など、システムとしての限界が見え始めます。

Excelを活かしたまま原価管理を効率化する「xoBlos」

Excelでの原価管理は、柔軟性がある一方で、手作業によるミスのリスクや保守の負担という課題を抱えています。この課題を解決し、業務の自動化を実現するツールが「xoBlos」です。

xoBlosとは？Excelベースで業務を自動化するツール

xoBlosは、経理や人事などの定型業務をノーコード（プログラミング不要）で自動化できるシステムです。長年使い慣れたExcelのフォームやフォーマットをそのまま活用できる点が最大の特徴です。

外部データ（CSVなど）の自動整形・統合により、複雑な計算処理やExcel数式を自動実行してくれます。ロジックを標準化することで属人化を防ぎ、安定した計算結果を実現できます。

リアルタイムな原価把握と分析が可能に！

原価管理プロセスが大幅に改善され、リアルタイムな原価計算が可能です。計算ロジックの標準化で属人化が解消され、一元管理によりガバナンスを強化します。
自動化されたリアルタイム計算と差異分析により、経営層は遅延なくコスト削減の意思決定を行うことが可能です。

まとめ｜xoBlosは無料相談から受け付けています！

Excelは柔軟性と導入のしやすさという利点を持つ反面、手作業の多さ、ミスのリスク、そしてシステム保守の負担という長期運用の課題を抱えます。

もし、貴社のExcel原価管理システムが「ファイルが重い」「計算ミスが心配」「担当者以外誰も触れない」といった課題を抱えているのであれば、Excelを活かしたまま業務を自動化できるxoBlosがおすすめです。

まずはお気軽に、無料相談をご利用ください。

この記事を書いた人

DITマーケティングサービス株式会社　
長谷川

2015年入社。2017年よりxoBlos事業部に所属し、営業として業務効率化や課題解決を支援。近年はCS活動にも注力し、運用後のフォローや改善提案にも積極的に関与。中小企業から大手まで幅広い顧客に対応し、顧客に寄り添う提案で導入後も成果を出せる体制づくりをサポートしている。